No1574・・・減損処理
減損処理とは、投資をしている有価証券や固定資産等の資産の市場価格が低下した場合や、
資産の収益性が低下したことにより投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、
資産の取得原価を強制的に切下処理して、その減損損失を損益計算書(PL)に計上することで、
資産の時価の下落幅が30%未満の場合には、基本的に、減損処理を行う必要はありません。
減損会計の適用企業は、基本的に公認会計士の監査を受ける企業ですが、株式公開企業
(株式公開会社・上場会社・上場企業)や会社法上の大会社が該当し、非上場会社
(非上場企業・未公開会社・未公開企業)については、基本的に、減損会計を必ず適用する
必要はありません。
この減損処理を固定資産に適用した場合、法人税法上は、基本的に、固定資産の評価損は損金とみなされず
損金不算入とされていますので、申告調整をすることになります。
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また、減損処理の要否の判定基準としては、時価の著しい下落と回復可能性の2つの面からから
判断することになり、非上場株式(未公開会株式)の減損処理の要否の判定基準は下記の通りです。
非上場株式の回復可能性の判定基準
回復可能性ありと判定できる場合は、時価の下落が一時的であり、おおむね期末後一年以内に時価が
取得原価まで回復する見込があることを合理的な根拠による予測できる場合で、
合理的な根拠には、翌期の経営計画に基づいた企業の業績見込みである
予算や財務計画も含まれますし、非上場株式の時価は、1株純資産(BPS)を適用するのが
一般的なので、予算貸借対照表(BS)の作成が必須なのは当然で、
予算キャッシュフロー計算書(CF)の作成もしていないと、企業の財務計画とは認められないでしょう。
非上場株式の回復可能性なしの判定基準
回復可能性なしと判定できる場合は、時価が過去二年間に渡って大きく下落し、債務超過になっている場合や
二期連続で損失を計上し、翌期の経営計画に基づく予算や財務計画においても損失が予想される場合なので、
予算貸借対照表(BS)を作成して、1株純資産(BPS)が取得価格を回復していたり、
業績についても黒字転換をすることを示すことができれば、回復可能性なしと判定されることはないでしょう。
これらの判定した結果、時価が取得原価より著しく下落し回復する見込みが無いまたは不明と
判定された非上場株式は減損処理をする必要があります。
企業が減損処理を行うメリットとしては、資産の含み損の処理が進展するので、
財務体質が改善することと、投資家が財務体質の改善を評価して、株価が上昇することも考えられ、
逆に、企業が減損処理を行うデメリットとしては、減損損失の計上でバランスシートが毀損することになるので、
投資家からの評価が低くなり、株価の下落を伴う可能性もあることです。
また、のれん代の減損処理についても、のれんの価値が損なわれた認められる時に、
のれん代を減損処理することになりますが、のれん代は、基本的には、20年以内の期間で定額償却される
ことになっているのですが、国際会計基準(IFRS)においては、企業は事業活動を継続することにより
企業が持つブランド価値や収益力が増すとの考えから、のれん代は、償却不要となっており、
のれんと営業権は同義語なので、のれんと営業権の違いはありません。
※減損処理の仕訳例は下記の通りです。
例・・・回復の見込みがない有価証券を3000減損処理した場合。
(借方) | (貸方) | ||
減損損失 | 1000 | 有価証券 | 1050 |
減損処理に関連する用語
・株式公開企業
・株式公開会社
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・申告調整
・非上場株式
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