No60・・・月次決算
月次決算とは、企業が経営状況を把握し、適切な経営判断をするためには
欠かせないもので、月次決算は、基本的に年次決算に準じた会計処理で
実施するべきであり、月次決算は、その目的からも精度よりも早さが求められ、
月次決算業務は、経理部の役割です。
この月次決算は、財務会計ではなく、管理会計の位置づけで実施すべきものなので、
月次決算は、予算管理を意識した内容とするべきです。
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また、月次決算では、年次決算に準じた会計処理で実施するので、
減価償却費や貸倒引当金も当然計上することになり、利益に大きな影響を
与える事業年度全体で発生する費用も、月割り計上するなどして毎月の費用として
計上し、月次決算に反映させるべきです。
そして、 月次決算の目的は、早期に損益状況・財務状況を把握し、予算と実績との
差である課題に対する対策を迅速に取る為に実施するものなので、月次決算は
実施するだけではなく、迅速化し、経営管理に役立つことが非常に重要であり、
月次決算の目的の為にも、月次決算を早期化する為に、月次決算の進め方や流れ・
手順をシステム化する必要があります。
しかし、月次決算は、経理部門の業務プロセス改善だけでは限界がありますので、
会社の全ての組織の協力が必要になります。
また、月次決算は、予算実績管理をする為には、必ず必要なもので、
月次で予算と実績を比較分析することにより、会社全体の結果だけではなく、
部門別損益や店舗別損益等のセグメント別損益も明確になりセグメント分析を
可能にし、各セグメントの状況も把握できるので、月次ベースでの損益の進捗状況を
掴む為にも、月次決算は必要不可欠です。
そして、月次決算を作成して損益計算書(PL)だけを予算管理するのではなく、
バランスシート(貸借対照表・BS)や資金繰り表などの資金収支についても、
予実管理をすることで、資金繰りを改善し、財務体質の改善・強化を
することが出来ます。
また、月次決算を実施していれば、金融機関から借入れをしている場合に
資料提出を求められた場合でも直ぐに対応できますし、銀行から月次決算の
提出を求められる前に資料の提出をすれば、更に銀行の心象も良くなり、
銀行との信頼関係を強化できます。
そして、月次決算は企業規模に関わらず早期化が重要である為、月次決算の完成が
翌月の10日前後になっている企業は、月次決算を早期に構築出来る体制を実現する為に、
日常業務の処理体制から抜本的に見直す必要があります。
尚、予算管理制度は、株式上場審査において大きなウェイトを持っています。
ちなみに、主な月次決算が遅れる原因と主な月次決算早期化のポイントは下記の通りです。
■主な月次決算が遅れる原因
@取引先からの請求書の到着が遅い。
A伝票をまとめて起票している。
B経費精算を随時行っている。
Cキャッシュレス化が進んでいない。
D伝票などの手書きの作業が多い。
E取引の承認数が多い。
F業務が標準化されていない。
G月次決算に対する社員の意識が低い。
H現預金残高を日々合わせていない。
I経理業務の分散化ができていない
■主な月次決算早期化のポイント
@厳密に処理する項目とざっくりと処理する項目を区分する。
A売上原価や販管費などの経費の発生や債権・債務を日時で把握する。
B月次決算チェックリストを作成する。
C現預金残高は日々残高を合わせておく。
D定型的な処理はパターン化する。
E月次決算のスケジュールを作成し、役割分担を明確にする。
F領収書や請求書等の証憑は日付順に整理して保管する。
Gキャッシュレス化の為に、現金残高を必要最小限にし、
経費精算はインターネットバンク(ファームバンキング)を利用する。
H経費精算は定期的に行う。
I伝票などの手書きでの作業を可能なかぎり減らす。
J取引の承認数を減らす。
K締め日を変更する。
L各部門の業務の標準化。
M経理業務の分散化。
N正確な発生ベースの金額の算定が困難な場合は見積計上で処理する。
月次決算に関連する用語
※経過勘定、前受収益、未払費用、未収収益、前払費用
※財務、資産、負債、純資産、損益、キャッシュフロー
※会計事務所の仕事
※会計事務所の経営(クライアントが求めている質の高いサービス)
※資格神話の崩壊
※アウトソーシングとルーチン業務