No534・・・期末棚卸高
期末棚卸高とは、決算時に棚卸をすることにより棚卸資産として翌期へ
繰り越す商品、製品、半製品、仕掛品、原材料の総額を示す勘定科目で、
期末棚卸高は、売上原価を構成する要素の1つであり、売上原価は期首棚卸高に
当期の仕入高等を加算し期末棚卸高を差し引いて算出し、期末棚卸高は、
損益計算書の売上原価に表示します。
この期末棚卸高を構成する商品、製品、半製品、仕掛品、原材料の内容は
下記の通りです。
※全産業財務指標データ
(日本企業約280万社の業種別・規模別の財務指標データ)
・財務指標データ
■ビジネススキルを磨くマンツーマンセミナーと通信講座等のご案内
※セミナー会場は、JR山手線秋葉原駅徒歩1分(受講可能日時・平日・土日・祝祭日7時~23時)
※各種通信講座は、受講期間6ヶ月から1年間(電子メールによる質問が何回でも可能)
・経営管理セミナー ・予算作成セミナー ・予算作成通信講座 ・経営管理通信講座
※経理・財務・経営企画業務の利益貢献度・各種管理業務合理化の後に残るもの・不動産相場情報
・経理業務の利益貢献度・経理業務の合理化の後に残るもの・いる社員といらない社員・日本の不動産相場
期末棚卸高の構成要素
①商品とは、企業が営業活動をする為に販売目的で仕入をし保有している物品。
②製品とは、工場にて原材料を加工して製造した物品。
③半製品とは、工場の生産ラインに材料等を投入して製造途中にあり、
且つ販売することが可能で倉庫などに貯蔵されている状態である物品。
④仕掛品とは、工場の生産ラインに材料等を投入して製造途中にある物品。
⑤原材料とは、製品の製造プロセスで直接消費される原料や材料で未使用の物品。
また、売上原価の算定は、企業会計原則の費用収益対応の原則により、
売れた物のみを売上高に対応させる必要がある為に、前期の在庫である、
期首棚卸高に当期に仕入れた商品等を加算して、期末に実際にある
棚卸の数量を把握する実地棚卸や帳簿上で棚卸の数量を把握する
帳簿棚卸をすることにより確定した期末棚卸高を差し引き算出します。
そして、棚卸資産の評価方法には原価法と低価法があり、低価法とは
各四半期末毎に、棚卸資産の時価と帳簿価額を比較して、帳簿価額より
時価が下回っている場合は、その差額を棚卸資産評価損として計上し
簿価を切り下げることになり、 棚卸資産評価損計上の際に用いられる
時価には、正味売却価額や再調達原価などがあります。
尚、棚卸資産の評価方法である原価法には、下記の8種類の評価方法があります。
①個別法・・・棚卸資産を個別の取得単価で評価する方法
②先入先出法・・・古い棚卸資産から払い出すと想定して棚卸資産を評価する方法
③後入先出法・・・新しい棚卸資産から払い出すと想定して棚卸資産を評価する方法
④総平均法・・・期首棚卸資産と期中取得の棚卸資産の平均単価で棚卸資産を評価する方法
⑤移動平均法・・・棚卸資産を取得するたびに平均取得単価を算出し棚卸資産を評価する方法
⑥単純平均法・・・期中取得の棚卸資産の平均単価で棚卸資産を評価する方法
⑦最終仕入原価法・・・最後に仕入れた単価で棚卸資産を評価する方法
⑧売価還元法・・・棚卸資産の売価に原価率を乗じて棚卸資産を評価する方法
※期末棚卸高が計上される場合の仕訳例は下記の通りです。
例①・・・翌期へ繰り越す棚卸資産が1000であった場合。
(借方) | (貸方) | ||
棚卸資産 | 1000 | 期末棚卸高 | 1000 |
期末棚卸高に関連する用語
※棚卸資産担保融資
※流動資産担保融資保証制度
※売掛金、完成工事未収入金
※製造原価(当期製品製造原価)、当期総製造費用
※製造原価明細書(製造原価報告書)、損益計算書(PL)