No561・・・必要運転資本
必要運転資本とは、売上債権残高と棚卸資産残高を合わせた金額が、
仕入債務残高より大きい場合に発生する資金のことで、一般的に、
必要運転資本は、運転資金、経常運転資金、所要運転資金、必要運転資金、
キャッシュコンバージョンサイクル（CCC）と同じ意味で用いられており、
必要運転資本は、企業の事業活動の裏づけがある資金といえます。
この必要運転資本を利用した経営管理指標に、必要運転資本月商倍率があり、
必要運転資本月商倍率とは、必要運転資本を算出し、月間の売上高と比較することで、
企業の資金繰りの状態を判断することであり、この数値が低いほど、資金繰りの状態が
良いと判断できます。
※全産業運転資金データ
(日本企業約280万社の業種別・規模別の運転資金データ)
・全産業運転資金
・製造業運転資金
・非製造業運転資金
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また、必要運転資本を減らすと、キャッシュフローの改善に繋がりますので、
必要運転資本を減らすことは、財務体質を改善するためのスタートラインであり、
財務戦略の基本ともいえます。
この必要運転資本は、売上高と売上総利益率が一定で、売上債権回転期間、
棚卸資産回転期間、仕入債務回転期間も一定であれば、必要運転資本の
金額も変化することはないために、この必要運転資本の残高は、企業が
営業活動を継続している限り、完全に寝ている資金であるので、
固定化された資金であるといえます。
また、必要運転資本が増加した場合は、増加運転資金の発生を意味し、
増加運転資金が発生する原因は、売上高の増加や回転期間の乖離等が
発生したことが要因です。
この、必要運転資本の計算式は下記の通りです。
必要運転資本の算出式
売上債権(売掛金＋受取手形)＋棚卸資産−仕入債務（買掛金＋支払手形)
尚、必要運転資本のコントロールが、資金繰りの全てと言っても過言ではないので、
必要運転資本の推移は常にチェックすべきことです。
ちなみに、総合予算を作成する際は、必要運転資本の仕組みの理解が
欠かせませんので、必要運転資本の仕組みは、経理部、財務部、
経営企画室に所属する社員であれば、必ず理解しておくべきことです。
必要運転資本に関連する用語
※流動資産担保融資保証制度
※売掛債権担保融資、ファクタリング、売掛金、完成工事未収入金
※商品、製品、仕掛品、半製品、原材料
※日本銀行
※財務、資産、負債、純資産、損益、キャッシュフロー