No558・・・経常運転資金
経常運転資金とは、売上債権の滞留資金と在庫維持資金が仕入債務の
金額より多い場合に発生する資金のことで、一般的に、経常運転資金は、
所要運転資金、必要運転資本、キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)、
必要運転資金、運転資金と同じ意味で使われており、経常運転資金は、
企業の営業活動の裏づけがある資金といえます。
この経常運転資金は、売上高と売上総利益率が一定で、売上債権回転期間、
棚卸資産回転期間、仕入債務回転期間も一定であれば、経常運転資金の
金額も変化することはないために、この経常運転資金の残高は、企業が
営業活動を継続している限り、完全に寝ている資金であるので、
固定化された資金であるといえます。
※全産業運転資金データ
(日本企業約280万社の業種別・規模別の運転資金データ)
・全産業運転資金
・製造業運転資金
・非製造業運転資金
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また、経常運転資金が増加した場合は、増加運転資金の発生を意味し、
増加運転資金が発生する原因は、売上高の増加や回転期間の乖離等が
発生したことが要因です。
そして、経常運転資金は商売の裏づけがある資金なので、一般的に、
経常運転資金の範囲内であれば、銀行から短期の融資を受けることは、
それほど難しくないと説明されていることが多いようです。
しかし、実際には、経常運転資金の融資の申し込みでも、融資の申し込みが
却下される企業もあるわけで、銀行から経常運転資金を借りやすい企業とは、
売上の増加に伴い、増加運転資金が発生している、業績が好調な企業で
あるはずです。
この、経常運転資金の計算式は下記の通りです。
経常運転資金の算出式
売上債権(売掛金+受取手形)+棚卸資産−仕入債務(買掛金+支払手形)
尚、経常運転資金のコントロールが、資金繰りの全てと言っても過言ではないので、
経常運転資金の推移は常にチェックすべきことです。
ちなみに、総合予算を作成する際は、経常運転資金の仕組みの理解が欠かせませんので、
経常運転資金の仕組みは、経理部、財務部、経営企画室に所属する社員であれば、
必ず理解しておくべきことです。
経常運転資金に関連する用語
※流動資産担保融資保証制度
※売掛債権担保融資、ファクタリング、売掛金、完成工事未収入金
※商品、製品、仕掛品、半製品、原材料
※日本銀行
※財務、資産、負債、純資産、損益、キャッシュフロー